牛肉について
大地に育まれたカナダビーフは、世界中の家庭の食卓にのぼっています。
家畜遺伝学、家族経営の農場、寒冷な気候、豊かな牧草地、穀物肥育などが、
高品質の牛肉を生み出しています。
穀物で育った牛たち
とうもろこし、大麦、小麦の粒を与えることで、締まった脂肪と適度な霜降りで
豊かな風味を持つ、柔らかいカナダビーフが生まれます。
優れた食味品質をもたらす穀物飼料
豊富な穀物
カナダは世界最大の穀物生産国の一つです。西部の州では、75,000軒以上の農家が大麦や小麦を栽培しています。カナダ東部の気候はトウモロコシ栽培に適しており、一大産地となっています。豊富な飼料穀物に恵まれたカナダでは、畜牛に大麦、小麦、トウモロコシを含む飼料を与えており、こうした牛たちから生産された牛肉、さらには牛の乳や穀物で育てられた仔牛肉を供給することができます。
優れた味わい
とうもろこし、大麦、小麦の粒を与えることで、締まった脂肪と適度な霜降りで豊かな風味を持つ、柔らかいカナダビーフが生まれます。カナダではこうした給餌慣行により、牛肉生産のために飼育された牛の85%以上が2歳以下で出荷可能となります。出荷時の年齢が若いほど柔らかく、全体的に味わいが優れています。
カナダの全国家畜飼料プログラム
カナダ食品検査庁(CFIA)は、家畜飼料が連邦飼料法に従って製造および販売されていることを確認する「全国家畜飼料プログラム」を管理しています。このプログラムは、「フィード(飼料)」担当者による販売前の製品評価、およびカナダ全土のCFIA現地スタッフによる販売後検査と監視をカバーしています。
国際的に認められた高度な家畜遺伝学
カナダには約10,000軒の純血種のブリーダー(飼育農家)がいます。これらのブリーダーは、誇りをもって畜牛の飼育に取り組むと同時に、数世代をかけて優れた遺伝子を作り出しています。カナダは畜牛生産の世界的リーダーとして認められており、全世界に遺伝子を輸出しています。カナダの環境は、アンガス、ヘレフォード、シンメンタール、リムジン、シャロレーなどのボス・タウルス種に最も適した冷涼な気候で、肉牛を育てる理想的な場所です。これらの品種は、他のいくつかの品種とともに、世界中の消費者に好まれる、柔らかく風味豊かな製品を安定的に提供しています。カナダでは30種類以上のボス・タウルス種が飼育されており、複数の品種が持つ最高の特性を1種の牛で体現するために交配も行われています。カナダの畜牛生産システムの高度化と相まって、これらの品種は世界で最も飼料効率が高い品種となっており、少ない資源消費量で環境への影響が少ないプレミアム製品を生産することができます。
品種選択と遺伝的改良プログラム
カナダの動物血統法に基づいて設立されたカナダ畜種協会は、正確な血統、品種改良プログラム、生産者教育プログラムの開発の責任を担っています。カナダの生産者は、動物が効率的かつ健康的に、そして表現型(体の構造)の観点から適切なレベルで飼育できる品種を選択することで、高品質の製品を生産しています。予想される子孫の違い(EPD)と呼ばれる動物データの統計分析にはゲノム情報と生産記録が含まれ、これを使って優れた動物を特定して選択します。これは繁殖の意思決定プロセスを導く効果的なツールであり、これにより一貫した遺伝的改良が可能になります。
カナダのハイクオリティービーフ格付け
カナダ牛肉格付けシステム
枝肉は、検査を受け、牛肉がすべての食品安全要件を満たしていることを示す検査印を受けてから、初めて牛肉等級が判定されます。枝肉ごとの品質と歩留等級はカナダ人の検査官によって決定されます。
カナダビーフ格付け協会(CBGA)認定グレーダー。各グレーダーは、包括的なトレーニングプログラムを継続的に受講・完了する必要があります。グレーダーは認定を受けた後も、CBGAの担当者と、カナダ食品検査局(CFIA)が管理するカナダ格付け監視プログラムを通じた定期的な監査を受けなければなりません。こうした継続的な監査により、カナダの国内基準が一貫して正確に反映された方法で格付けが実施されるのです。
カナダは牛肉格付けにおける世界的リーダーです。一貫した品質を持つ最終製品に対する消費者の需要を満たすために、カナダの格付けシステムは、世界中のベストプラクティスをカスタマイズして組み合わせて設計されました。カナダAA、AAA、およびプライムの格付けを得るには、それぞれの品質基準を満たす必要があり、一つでも基準を満たしていない場合は他の基準が優れていても格付けされません。格付けの目的は、均一性のあるの品質、歩留まり、および価値を持つ等級ごとに枝肉を分類することです。この等級分けにより、マーケティングおよび生産決定が容易になり、消費者に一貫した製品と安定した品質を提供できるようになりました。
カナダビーフの歩留と品質等級
若齢牛の枝肉から切り分けたカナダビーフ品質等級は、カナダAA、カナダAAA、およびカナダプライムに分類されます。これらの格付けを認定するには、冷却後に認定グレーダーが枝肉の詳細な評価を行います。評価される属性は、成熟度、性別、肉の色、脂肪の色、筋肉の発達度、脂肪交雑とテクスチャー、肉のテクスチャーと霜降りレベルなどです。歩留等級は枝肉の赤身組織(筋肉)の量に関連する尺度です。カナダでは、赤身歩留率の最高値にカナダ1の歩留等級が与えられます。歩留等級は、12~13肋骨間を切開して脂肪の深さとロース芯のサイズを測定して評価されます。
カナダビーフの霜降りの基準
消費者の要求に応えるために、カナダは1996年に、米国で採用されている霜降り評価システムと歩調を合わせることになりました。アメリカの、プライム(やや多め)、チョイス(少ない)およびセレクト(わずか)基準は、それぞれカナダビーフ(若齢牛)におけるカナダプライム、AAA、AAに相当します。
若齢牛の品質等級基準※
※カナダの脂肪交雑基準は、米国の基準を参考にして1996年に見直されました。カナダは、USDA (米国農務省)が定めたプライム、チョイス、セレクトの最低基準(やや多め、少ない、僅か)をカナダプライム、カナダAA、カナダAAAの最低基準としてそのまま導入し、若齢牛の良質枝肉の等級分類に用いています。
※※品質等級クラスで承認されている霜降りと肉のテクスチャーの最低基準
※※※成熟度の分類は国内基準による
† 2017年3月現在の基準
カナダビーフの等級属性
枝肉の成熟度
枝肉の成熟度–カナダAA、カナダAAA、またはカナダプライムなど高品質等級では、枝肉を分割し骨格の発達を観察したうえで成熟度が「若齢牛と評価されていなければなりません。と畜時の年齢が若いほど柔らかく、全体的な食味品質が優れています。
脂肪と肉の色
脂肪と肉の色– 消費者は、肉と脂肪の色を牛肉の品質と鮮度の重要な指標と考えています。カナダAA、カナダAAA、またはカナダプライムの等級に認定されるには、枝肉の色は鮮紅色でなければならず、脂肪が黄色がかっている場合は認定を得ることはできません。
枝肉の筋肉
枝肉の筋肉 – 筋肉質の枝肉は歩留まりが高く、より効率的にカット加工できます。カナダでは、枝肉の筋肉質が不十分な場合、高品質ビーフの等級が承認されません。
肉のテクスチャー
肉のテクスチャー – 高品質のカナダビーフの要件を満たすには、牛肉のテクスチャーが締まっている必要があります。テクスチャーはビーフを噛んだときの食感に影響し、食味品質と消費者の満足度に大きく影響します。
脂肪のテクスチャーと
交雑
カナダAA、カナダAAA、およびカナダプライムグレードの等級の認定を受けるには、脂肪交雑が均一で締まっていると評価されなければなりません。脂肪交雑が最適であれば、味わいを最大限に保ちながら枝肉を冷却することができます。
脂肪交雑のレベル
脂肪交雑の状態を評価するには、ロース芯の筋肉の露出断面を観察し、筋肉内脂肪の蓄積量、サイズ、および均一性を評価します。脂肪交雑レベルの正確で一貫した評価を確実に行うために、公式の写真基準が利用されています。
等級スタンプ
等級スタンプ - 必要な検査がすべて完了すると、食用インクを使用した等級スタンプが押印されます。公式の等級スタンプは、枝肉の両サイドのショート・ロインとリブに押印されます。等級スタンプは、カナダ牛肉格付け協会(CBGA)の監督の下で常に管理されています。